DX・IoTを導入しただけでは効果なし?工場のデータ活用が進まない理由とその解決策

近年、工場のDX(デジタルトランスフォーメーション)やIoT(モノのインターネット)化が進められ、データを活用した生産性向上が期待されています。しかし、多くの工場、特に中小企業では、DX・IoT化が思うように進んでいません。その背景には、
- DX・IoT化の効果が見通せない
- 導入してみたが、効果を実感できなかった
といった課題があります。本コラムでは、工場がデータを十分に活用できていない理由を整理し、その解決策について考察します。
1. 工場のDX・IoT化が進まない理由
DX・IoT化が進まない要因として、データを収集しても十分に活用できていないことが挙げられます。
独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業のDX推進に関する調査(2022年5月)」によると、従業員規模21人以上の企業の24.3%が「具体的な効果や成果が見えない」ことをDX推進の課題として挙げています。つまり、DX化を進めたものの、データを十分に活用して成果を生み出せていなかったり、そもそも効果が見通せないために最初から取り組まないケースが少なくありません。
一方、スポーツの世界では、データを活用して競技記録を伸ばしたり、相手チームを分析して戦略を立てることが当たり前の取り組みになっています。残念ながら、ものづくりの分野では、そのステージに至っていないのが現状です。
2. データを活用できない背景と課題
データの収集に成功しても、それを生産性向上に活かすまでには多くのステップがあります。次節で詳しく説明しますが、データ収集から問題点を見出し、最終的に改善対策を講じて成果を挙げるまでに7つのステップがあります。これを完遂できなければ、データは宝の持ち腐れになってしまいます。
しかし、多くの工場では、現場の作業者はもちろんのこと、工場の管理者においても日常業務に追われ、データの分析や改善策の検討をする時間を確保できていません。また、それだけ多くのステップがあることを経営者が認識していないため、適切なリソースが配分されていないのも課題です。
3. 生産性改善までのプロセスとその難しさ
データを活用し、生産性向上につなげるためには、以下の7つのステップがあります。
システムで実施可能なステップ
1. データの収集
2. データのグラフ化・分析
3. 問題の抽出
これらのステップはIoTツールを導入すれば自動化が可能です。しかし、これだけでは生産性改善にはつながりません。
人が判断・対応すべきステップ
4. 取り組み課題の選定
5. 問題の要因の追及
6. 対策の立案
7. 対策の実施(→生産性改善)
④~⑦のプロセスには、人の判断や現場の確認が不可欠であり、それぞれのステップに時間と労力が必要です。特に、課題の優先順位付けや要因の追及は、データの解釈や現場からのヒアリングが求められます。そのため、十分なリソースが確保されないと、データ活用が途中で止まり、生産性改善につながりません。
4. データ活用のための解決策
データを収集しただけで生産性が向上するわけではありません。データを活用し、確実に生産性改善につなげるためには、次の2つの視点が重要です。
1. データ収集から生産性改善までのステップを理解し、適切な人材リソースを確保すること。
- 片手間では実施できないことを経営者が理解し、必要な人員を配置することが不可欠です。
- ④~⑦のプロセス全体が人の判断と行動を必要とし、それぞれのステップに時間と労力を要します。
- 特に、④の取り組み課題の選定や⑤の要因追及は、データを活かすための重要な工程であり、適切なリソースを確保することが求められます。
2. ステップ④(取り組み課題の選定)とステップ⑤(問題の要因を追及)を実施するために、有効なデータを収集すること。
- 問題の深刻度を数値で捉えられるようにする(発生頻度や発生時間を基に評価し、取り組みの優先順位を決定)。
- 要因に迫るために必要なデータを収集する(例えば、機械が停止した際に、その停止要因を知るためのヒントとなるデータを収集する必要があります)。
「稼働監視キットPro」は、これらの課題を解決するためのツールとして、機械の稼働データとともに、作業者の位置情報を組み合わせて分析する機能を持っており、機械の停止要因の特定を支援します。また、上記7つのステップのうち、人が判断・対応すべきステップの実践を、定期面談を通じてサポートしています。
まとめ
- DX・IoT化が進まない理由として、データを収集しても活用できず、24.3%の企業が「具体的な効果が見えない」と感じている。
- 生産性改善にはデータの収集だけでなく、問題抽出・要因分析・対策実施までのプロセスを完遂することが重要。
- 「稼働監視キットPro」は、データ収集から改善対策の実施まで伴走型の支援を行い、工場のDX・IoT化を成功に導く。また、作業者データとの連携機能を活用することで、より効率的に問題の要因を特定できる。
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