稼働監視キットPro

稼働監視キットPro 導入インタビュー

「主観ではなく、データで語る」現場の自主性を引き出す見える化

株式会社小沢精密工業 代表取締役社長 小澤 大祐 様

医療機器・楽器部品メーカー
従業員数:80名
導入機能:機械稼働データ収集(15台)、作業者位置データ収集(11人、23箇所)

——「稼働監視キットPro」導入のきっかけを教えてください。

当社ではもともと、工作機械メーカーの専用システムを活用し、機械の稼働率を可視化していました。その経験から、IoTによるデータ収集には一定の効果があることを実感していました。

ただ、機械の稼働率だけでは、停止の「本当の理由」までは分かりません。止まっている原因について、印象や憶測で話が進んでしまうこともあります。例えば、ある作業者が「怠けている」といったレッテルを貼られがちなときに、実際には別の業務や割り込み対応でやむを得なかったとしても、「その人のせい」という結論に落ち着いてしまうことがあるのです。

だからこそ、人の行動データもあわせて取得し、主観ではなく客観的なデータに基づいて事実を見極めたいと考えました。その点で、「稼働監視キットPro(工場診断オンライン)」は、まさに必要な仕組みでした。

——導入にあたって、不安やハードルはありましたか?

IoT導入にあたって、費用対効果への懸念はもちろんありました。しかし、私は「きちんと使えば、費用以上の価値はある」と信じて導入を決断しました。結果として、稼働率は5%改善し、その判断は間違っていなかったと思います。

また、導入に際して社内への説明では、「このデータは評価には使わない」という点を繰り返し伝えました。そのおかげか、目立った反発はなく、比較的スムーズに導入が進みました。

——導入後はどのように活用されていますか?

2週間に一度、全社員が閲覧できる社内プラットフォームにて、稼働データと作業者データを公開しています。誰でもアクセスできるようにすることで、透明性を高めつつ、現場全体での意識改革につなげています。

——導入してみて、どのような効果がありましたか?

最も大きな効果は、社員の「自主性」が引き出されたことです。「評価には使わない」と伝えていたにもかかわらず、社員たちは「ビリにはなりたくない」という思いから、自発的に稼働時間を増やす工夫をするようになりました。

たとえば、以前は昼休みに入る前に新しい段取りには着手しなかった人が、今では、多少昼休みに食い込んでも段取りを済ませ、昼休み中も機械が動くように工夫するようになりました。退勤時にも、加工素材を複数設置して、少しでも長く機械が稼働するよう意識するようになりました。こうした積み重ねが、稼働率+5%という成果につながっています。

さらに、作業者の位置データを取得することで、「なぜ機械が止まったのか」を正しく検証できるようになりました。実際には、作業者が怠けていたわけではなく、他の作業者から質問攻めにされていたために、手が止まっていたというケースもありました。こうした背景を把握することで、適切な対策が打てるようになりました。

——今後の展望をお聞かせください。

これまでは「見える化」と「自主性の喚起」に重点を置いてきましたが、今後は「理想的な動き」をデータで定義し、それに近づけるよう社員をサポートしていきたいと考えています。

また、今後ますます人材確保が難しくなる中で、経験や属性に依存しない仕組みづくりが必要です。外国人や女性、工業高校卒でなくても活躍できる現場、単純作業を分離し、優秀な人材にはより高度な業務に集中してもらえる体制を整えたいと考えています。

ただ、データは膨大で、毎日すべてを見切るのは困難ですし、社内管理者が直接注意をすると「パワハラ」と受け取られてしまうこともあります。今後はAIがデータを分析し、問題点や改善策を提示してくれるような仕組みに期待しています。

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